のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

盛りだくさん、長文御免。(歌付き)

ゆうべ、ちょっと衝撃的な出来事があった。

 

高3受験生の相棒ちゃんは、数学が大の苦手。「おかあさん、二次関数とかできないとおとなになって困る?なぁ、困る?」と何回尋ねられたことだろう。その都度「いま、わたし、困ってないよな(笑)」と確認したうえで、「いや、困らへんと・・・思う。(・・・けど、勉強はちゃんとしてほしいなぁ)」と答えてきた。看護学校の受験科目にも数学が入っているところが多いのだけど、相棒ちゃんは塾の先生と相談に相談を重ねた結果、数学が受験科目に入っていない学校を選び出し、それゆえさらに「狭き門」になっていることを承知のうえで、「国語と英語と、小論文と面接に賭ける」という方針を立てた。

 

だから、受験科目からは数学が外れたのだけど、学校の定期試験には当然のことながら数学がデ~~~ンと残っている。そして、昨日はその「憎き数学」の試験日だった。

 

「ぼろぼろですわ」という報告のLINEは昼過ぎの段階ですでに受け取っていたから、まぁ覚悟はできていたのだけど、塾から帰ってきた相棒ちゃんの様子にびっくりした。

 

「おかあさん・・・」とやっとの思いで言ったあと、静かに静かにいっぱい涙を流してわたしに抱きついてきた。

 

「こんなに出来へんかったのは、生まれて初めて。試験時間が余って余って、情けなかった。もう、ほんま、たまらんかった」と、すごく静かに報告し始めた。

 

「帰り道、K-POPの『大丈夫だよ』っていう曲を聴きながら、泣きながら歩いてたけど、でも、歌詞の意味を考えたら、これは、がんばったひとに対して声をかけてる歌やから、〇〇は、この歌で泣く資格はないよな、と思ったら、余計に情けなくて泣けてきた」のだそうだ。

 

これを話しながら相棒ちゃんはずっとわたしに抱きついたまま。わたしは背中をトントンしながら、ときどきさすりながら、聴いていた。

 

「でもな、おかあさん、これは、〇〇の責任やねん。〇〇が努力してないからやねん。だからな、もう、ほんま、目が覚めた。残り時間、ほんまにがんばろうと思う。じゃないと、ほんま、悔しい。情けない」と、ゆっくりゆっくり、自分で結論に辿り着いていた。わたしは「そうやな」とか「うんうん」とか、少し相槌を打っただけ。

 

相棒ちゃんが、勉強のことでここまで泣いたのを見たのは、多分初めてだと思う。正直、いつまでチャラチャラしてんのかと、イラついていたりもした。「本気」を出せないひとになってほしくないなぁって、「自分がイメージする『がんばる子』像」を相棒ちゃんに当てはめて、もどかしく思って冷たく対応したりも、した。だけど、そんなことによって、ではなく、相棒ちゃんは、自分で自分の頭をぶつけて「痛い」と認識して、軌道修正をする覚悟を決めたようだ。これ、なかなか、すごいと思う。

 

もちろん、最初っからがんばってお勉強してくれてたら、それが一番平和だけど、でも、今回のことでスイッチが入るなら、それはそれで、むしろ、とても大きな転機。ちょうど頭痛がひどくて、試験最終日前夜の相棒ちゃんを応援することができなかったのに、相棒ちゃんはお布団に向かうわたしに「おかあさん、ごめんな。がんばるしな。ゆっくり寝て」と声をかけてくれた。その言葉かけができる相棒ちゃんを、すこし誇らしく思いながら、布団に入って、すぐ眠った。

 

今朝、すごく雨が降っていたこともあり、相棒ちゃんを駅まで車で送ってあげた。車から降りる彼女に、「昨日のことは引きずらんと、今日は今日でがんばっておいでよ」と声を掛けたら、ズッコケるような返事がきた。

 

「あ、そんなこと、すっかり忘れてた(笑)」

 

おい、おい、おい、お~~~~い!!!

 

・・・・さすが、相棒ちゃんです。おかあさんは、あなたのそういうところが、ほんとに大好き。ちょっと心配になるけど、でも、やっぱり、大好きですよ。

 

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そんなふうに相棒ちゃんを見送って、車で職場に向かいながら、朝の台所で読んで気になっていたsmokyさん(id:beatle001)がブログに貼ってくれた動画を、音声だけ聞いた。

 

わたしがいままで聞いた「応援演説」のなかで、一番すごかった。東京都議会議員選挙はすでに終わっているけど、でも、そんなことはどうでもいいです。むしろ、いま、ここからのわたしに、烈しくも、あったかくて、やさしい檄をとばしてもらった気がして、ぽろぽろと泣いてしまった。

 

わたしが下手な説明をするよりも、とにかく、聞いてください。ぜひ、聞いてください。

 

beatle001.hatenablog.com

 

 あたりまえの暮らしが保障されない、この社会は間違っている。それを変えていくのは、「誰か」じゃない。あなたなのよ、あなた。

 

渡辺さんの、絶叫にも近い演説は、ものすごい声量だけど、でも、やさしかった。

 

やさしいってことは、こういうことなんじゃないか、と思いながら、ほんとにぽろぽろと泣きながら運転した。

 

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実は、というほどでもないけど、今月末、「音とも」と一緒に人前で歌うことが決まった。それもあって、「おうちレコーディング」をいろいろしてみている。

 

今日は、「あの頃のまま」を聴いてもらいたいのです。

 

雑踏のなかで、ふと「わたしって、何者なのかな」と立ち止まってしまいそうなとき、心がキュッと痛くなるとき、誰かと比べて自分がダメダメに思えるとき、「だけど、わたしは、わたしなんだよな」って、自分の背中を押して、また歩きだしたい。そんな歌。

 

みんな、こんなふうに、自分の人生に悩みながらも大切にして、ただ、生きているだけで、そこにいてくれるだけで素晴らしいと認め合える世の中って、「青臭い理想論」ではけっしてないと、そう思う歌、です。

 

 

 


あの頃のまま(ショートバージョン) - のんちの音楽室 | stand.fm

 

あ、それと、梅シロップの写真。

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梅シロップ4日目の朝。

・・・・ん?昨日と何が違うの?

そんなことないの。ちょっとずつ、シロップが色づいてきてる。

ほんとだよ。