のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

「そっと手を握ってくれてたよ。」

わたしが働く病院の系列の訪問看護ステーションの所長は、わたしの「同期」。そして、彼女の娘さんも、うちの相棒ちゃんも「ナースの卵」。ナースとして、母として、共感できる相手でとても頼もしいひと。

 

先日、その訪問看護ステーションが次世代育成事業の一環で「訪問看護体験学習」の機会をくれて、看護学校2年生の相棒ちゃんも参加させてもらった。

 

学校から出かける実習とは違い、「レポート」とか「成績」の重圧から解放されて、訪問看護の魅力に純粋に触れられる貴重な機会。「お母さんの職場やからある意味実習よりもプレッシャーやわ」とか言いながら、前日はばあちゃん宅に泊めてもらい、豪華弁当を携えて一日訪問看護師さんに同行させてもらう何とも贅沢な体験学習だった。

 

帰宅した相棒ちゃんからは、所長をはじめスタッフのみんながとても手厚く指導してくれたことや、訪問先で利用者さん(病院では「患者さん」とお呼びするが、訪問看護では「利用者さん」とお呼びする)の状態が悪化して救急搬送する場面に遭遇したけど自分は何もできなかったことなど、いろんな報告があったのだけど、昨日、実際に相棒ちゃんが同行させてもらったナースと話す機会があって、相棒ちゃんから聞いていなかったことを教えてもらった。

 

状態が悪化して救急車を呼んだ利用者さん宅での出来事。

 

 

〇〇ちゃん(相棒ちゃんのこと。みんな相棒ちゃんが小学生の頃から知ってくれているので、愛情深く名前で呼んでくれる。もちろん体験学習のときは別だけど)がね、利用者さんの状態が悪化して私たちがバタバタ救急搬送の準備をしてるとき、自然に利用者さんに近寄って、そっと手を握ってさすってくれたんですよ。それがね、本当に自然でね、ちょっとびっくりしたんです。私たちナースってね、最後の最後、究極はそれだよなって、あらためて思ってね。それ、誰に教わってできることでもないと思う。だから〇〇ちゃん、きっといいナースになると思います。

 

 

何とうれしい報告。

 

もちろん、手を握ってさすってくれた相棒ちゃんのことを想像すると泣きそうになったけど、それ以上に、そのことを自分の子どもみたいに喜んで教えてくれたナースの優しさと、先輩としての慈しみがうれしかった。そして、「同期」の所長のチームが、そんなナースを育ててくれていることにもあらためて感激した。

 

「私はいくら何でももうちょっと勉強してたけどな」と呆れてしまう日々の相棒ちゃんだけど、ナースとして大切にしてほしいことを、どこかでいつの間にか掴んでくれていることを知って、う~~~~ん、ま、いっか(笑)と思ってしまう。

 

まだまだこれから大変な実習の日々が待っているし、その先には国家試験があるし、そしてもちろん、ナースになって現場に出てからの苦労もいっぱいいっぱいあると思うけど、でも、大丈夫って、ちょっと親バカな気分に浸らせてもらっています。

 

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ちっちゃい頃の相棒ちゃんの写真、仕事のデスクでいつも私を笑わせて、元気をくれるショット。