のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

『ピエタ』つながり。

その昔、高校の文化祭のライブでレベッカのコピーバンドのボーカルをやらせてもらったとき、「ステージ衣装」のお手本は、キョンキョンだった。アイドルだけど、「普通のアイドル」じゃない、「キョンキョンというかたち」というのがしっくりくる、そんな存在だった。・・・・お手本にはしたけど、相当にかけ離れていて、きっと誰もわたしがキョンキョンをイメージしたこと、気付いてないとは思う(笑)。

 

その「キョンキョン」が、いつの間にか「小泉今日子さん」になって、再び鮮やかにわたしの前に現れた。その姿は、さらにカッコよくて、ますますキュートで、そして凛としていて、たまらなく素敵。

 

遠い遠い存在のはずなのに、なんだかとても身近に感じさせてくれたのがSpotifyで偶然にみつけた『ホントのコイズミさん』というラジオ番組。いつだったかの夜中、全然眠れなくて、右に寝返り、左に寝返りして・・・「もう開き直って寝るのをやめてやる!!」と思ったときに出くわした。

 


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以来、通勤の車を運転しながら、晩ごはんを作りながら、湯舟に浸かりながら、ただただ寝そべってぼーっとしながら、大切に大切に聴いている。

 

小さな本屋さんの店主さん、作家さん、編集者さん、多彩な「本にまつわる人たち」が登場して、小泉さんとのトークを繰り広げる。時々はリスナーからのメッセージを取り上げてくれる回もある。聴きながら思う。小泉今日子さんは、「そのひと」をひきだす達人なんだわ。ずっと前に読んだ本をもう1回読みたくなったり、初めて知った作家さんのことばにグッきたり、行ったことのない本屋さんに仕事をズル休みして今日にでも出かけたくなる。ちょっとなかなか、ほかでは味わえないワクワク感。

 

その『ホントのコイズミさん』で、舞台『ピエタ』のことを知った。原作者の大島真寿美さんを迎えて2回、演出家のペアンヌマキさんを迎えて2回、4回にわたって語られた『ピエタ』。もちろん、舞台のことが熱く語られたわけだけれど、それと同じぐらい、おんなたちがつながりあってひとつのものをつくりあげていくことのカッコよさに魅せられた。飛びぬけた才能と器をもったおんなの集まりであることは間違いないのだけれど、それが全てではなくて、そのひとつひとつ、ひとりひとりがつながりあったところに、ものすごい舞台ができあがっていくんだと想像して、なんにも観てないし聴いてもいないのに、やたら胸が躍った。

 

その舞台『ピエタ』をご覧になったよんばばさん(id:yonnbaba)がアップしてくださった。

hikikomoriobaba.hatenadiary.com

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観に行きたいけど行けないなって諦めたままになっていた舞台が、こんなかたちで眼の前に現れてくれるとは思いもしなかった、その「思いがけなさ」がまずもってうれしかったのと、日頃から「あ、わたしもそれ、好きです」「そのこと、気になってました」「そのチョイス、真似しちゃお」と思いながら読ませてもらっているよんばばさんが、あの『ピエタ』をご覧になったんだ、というのが、すごくうれしかった。

 

こりゃぁ、このまま素通りするわけにはいかんな、と思い立ち、本屋さんで『ピエタ』を買ってきた。久しぶりに分厚い文庫本。普段ならビビッてしまう厚みだけど、たくさんのおんなたちを突き動かした物語なんだもん、わたしもジャッパーンと飛び込んでみようと決意した(大袈裟)。そうと決めたら、朝ごはんのひとときも、無駄にはできないんだ。なんたって、相棒ちゃんが夏休みのいま、我が家にいちばんの静寂が訪れるのは、朝寝坊の相棒ちゃんがいない早朝なのだから。

 

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なんでも、舞台は大千秋楽を終えた8月27日から有料配信が決まったそうだ。もちろん、「生」とは違うけど、でも、これまた素通りは、できまい。

 

まだまだ暑い夏が続くけど、芸術の秋も、すぐそこ。