のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

今朝、思ったこと。

先週、いまの職場で約12年間苦楽を共にしてきた、本当に頼もしいスタッフが退職した。たくさん溜めに溜めた有休を消化して、本当に退職するのはもう少し先だけど、毎日職場で「おはよう」「おつかれさん」を言える日々は、先週、終った。

 

彼女の退職理由は、子どもさんが挑戦していることを全力で応援したいから、というものだった。

 

現場にとって、彼女の存在がどれだけ大きいかということは、とてもとてもよくわかっていたけど、彼女がその意向をわたしに伝えてきたとき、とめることはしなかった。もちろん頭のなかは大混乱だったけど、でも、とめる理由はないし、とめちゃいけないよな、と思った。

 

「今しかしてあげられないことを、全力でやりたいんです。この仕事をしていることで、自分が気づいていないことも含めて子どもにずっと我慢をさせてきたと思う。諦めさせてもきたと思う。だから、このチャンスを諦めさせたくないんです」と彼女は言った。子どもさんが、あるスポーツでメキメキと力をつけていて、大きな舞台への扉が少し開きかけているそうで、その扉を子どもさんと一緒にこじ開けたいんだ、と。

 

わたしの立場として大きな役割のひとつに、「スタッフを辞めさせない」ということがある。それは重々承知している。でも、わたしは「今しかできないこと」に向けて、背中を押したい。「あとのことは、みんなでがんばるから、自分の選んだ道を堂々と笑って進んだらええよ」と言いたい。そして、それがきっと、残るスタッフを大きく前進させることにもなるような気がするし、そうしなくっちゃとピンと背筋が伸びる気持ちにもなる。

 

そして、思う。

 

今回、彼女の場合は、こんなふうに展開したけど、これはある意味とても恵まれているんだろうな、と。親の経済や、働き方や、生き方によって、子どもの夢や可能性が潰れたり、最初から持てなかったりする、そんなことが、この日本の中には、ありすぎるほど、ある。

 

かたちになったり、言葉になったりするところに辿り着けない、たくさんの夢のことを思う。その夢のために、知恵を絞り、お金を出して、応援するのは、親に限らず、社会全体の役割なんじゃないのかな・・・・、と。

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