今日も出勤前に頑固一徹おかんに寄ってきた。
わたしからは、新聞と、おいしくできたプチトマトのピクルスを届けた。
おかんからは、久しぶりにお弁当を持たせてもらった。
道の脇に車を停めて、物々交換をするとき、わたしが思っていたことを、おかんが先に言葉にした。
「8月6日やなぁ。」
あの日も、こんなふうに暑かったのだよね。
あの日も、こんなふうに蝉が賑やかに鳴いていたのだよね。
そして、あの日の朝も、きっとこんなふうに、おかあさんにお弁当を持たせてもらって、たくさんの子どもたちが出かけて行ったのだよね。
そして、帰ってこなかった子どもたちが、たくさん、たくさん、いたのだよね。
そんなことを思い浮かべながら、おかんの一言に「うん」とだけ返事した。
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さっき開いたお弁当箱は、愛情に満ち満ちていた。
開けた瞬間に、泣きそうになった。
あの日、持たせてもらったお弁当を食べられずに亡くなっていった子どもたちのことを想像して、たまらない気持ちになった。
ひと口、ひと口、味わって、噛みしめて、いただいた。
今日、8月6日。
たとえ「お祭り」の最中だとしても、忘れてはいけない。
テレビは「お祭り」一色でも、わたしのこころはそこには染めたくない。
忘れてはいけない。
・・・というよりも、まだまだ、もっともっと、知らなくてはいけない。