きのうは、「琵琶湖湖畔で枇杷ゼリー」がメインではなくて、滋賀県の坂本という町に行きたかったのだ。
手を加えない、「そのまま」の岩を積み重ねていく穴太(あのう)という手法の石垣を随所に見ることができる町並み。きっと新緑が映えて美しかろうと思っていたけど、想像をはるかに超えて、素晴らしかった。
途中、雨が降ったりやんだりしたけど、濡れてもへっちゃらで散歩した。
美しいお庭も見せてもらったし。
さりげない生け花にも魅了されたし。
ごきげんのあまり、ガラス窓に映り込む自分までかわいく見えたり(笑)。
「日本一長い」ケーブル電車に乗って、延暦寺にも行ってきた。
(延暦寺は、ちょっと荘厳すぎて、写真撮れず、ただただ圧倒されて、ただただ厳かなこころで手をあわせた)
そして、最後の最後、「むあ文庫」というちいさなカフェを訪れた。
ご両親の代からの4000冊の絵本&児童書を「どうぞゆっくりと、こころゆくまで」と、ご自宅の一部を改装したカフェと、壁一面の本棚に囲まれた、おとぎばなしに出てきそうなちっちゃな「おうち」。
「むあ文庫」の「む」は、「オーナーの麦さんの”む”」。
靴を脱いであがらせていただくカフェは、麦さんの本を慈しむ気持ちと、それを外に向けてあたたかく開け放ってくれる「おっきなやさしさ」で満ち満ちていて、大袈裟でもなんでもなく、一歩足を踏み入れるだけで、なんだか鼻の奥がツンときて、あぶなかった。
やさしいミルクティーと、丁寧に焼かれたクッキーを、ねずみみたいにチビチビといただいて、最後の一口の紅茶を残して、「離れ」のちっちゃなおうちへ行ってみた。
圧倒されて、ことばが出なくて、放心状態みたいになった。そして、ここに絶対連れてきたいひとがいるぞ、と思った。
訪れたときには降ってなかった雨が結構な本降りになって、その雨がやむところまで、長い時間を過ごさせてもらったのだけど、その間、お客さんにお茶やコーヒーを淹れる以外は、麦さんもずっと本を手にとって熱心に読んでらしたようだった。
麦さんにとって、「わたしの本」は、「わたしの一部」であり、それでいて「みんなの本」でもあるのだろうな。
その「開け放ちかた」が、素晴らしかった。
「雑木林」と麦さんが表現するお庭の、ちっちゃい白い花が、雨に濡れて美しくて。
そのドキドキが、一晩明けても、一日働いても、まだ冷めやらない。
大切なひとを、ひとりずつ、大事に大事に招待したい。
そんな場所が、またひとつ増えた週末です。
追伸
アップしてから読み返すと、なんとボキャブラリーの貧弱な文章か(笑)。でも、ことばが浮かばないぐらい素敵だったんだなぁと思ってやってつかーさい。