のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

患者さんと大切なひとを、つなぐ。

こんばんは。

 

まだ火曜日なんだけど、この暑さのせいなのか、ちょっとしんどいな。

 

でも、書いておきたいことがあります。

 

ぜひ、読んでいただきたいことがあります。

 

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新型コロナウイルス感染症の流行拡大のなか、高齢の患者さんが多い私の職場も、病棟の患者さんへの面会を原則お控えいただいております。緊急事態宣言の今後の行方が気になりますが、いまのところ、まだ、その対応は継続中です。

 

そんななか、入院中の患者さんへの洗濯物などのお届け物は、病院1Fの受付にご家族に待機していただき、そこに病棟スタッフが出向いて受け取らせてもらうかたちをとっています。

 

先週末、ある患者さんのご家族が、着替えをお持ちになりました。受付で待機いただき、受付の事務スタッフが病棟の看護師を呼び出しました。

 

「ちょっとだけ待ってください」と言われてから、しばらく待っても看護師が来ない。待っているご家族が「お忙しいんでしょうね。走りまわってはるのに、申し訳ない」と恐縮なさっていたところに、病棟ナースが駆け足でやってきました。

 

「遅くなってすみません!!」

「これ、見てください」

 

病棟ナースが差し出したのは、彼女の私物のスマートフォン。そこに映し出されたのは、面会できないご家族に向けてのメッセージを、入院中の患者さんが話されている様子でした。

 

ご家族は、ものすごくびっくりされて、そして、とてもとても喜んでくださいました。

 

そして、今度、病棟ナースは、おいでになったご家族から、入院中の患者さんに向けて「(動画)見たよ~~!! はやく元気になってね!!」というメッセージを撮影。その動画を、病室で待つ患者さんに届けてくれました。

 

実は、この出来事を、最初わたしは知りませんでした。この日の受付担当の事務スタッフが「うちの病院の看護師さん、スゴい!!」といろんなところでアツく語っていたのがわたしの耳にも届いてきたというわけです。

 

聞けば、病棟では「面会禁止」になった直後から、スタッフたちの間では度々こういう対応をしてくれていたようなのですが、個人のスマホで動画撮影(見せたあとはもちろんただちに消去はしてくれていましたが)していたために、おおっぴらにできず、わたしにも届いてこなかったという次第。

 

もちろん、個人情報の取り扱いというところでいうと、100点満点ではないと思います。でも、それよりも、いま、大事にしてほしいこと。

 

やっぱりね、患者さんとご家族を、つないでほしいんです。

 

それ、しっかり実践してくれるスタッフがいることに、ものすごく感激しました。

 

ブログのなかでも、入院中の大事なひとに、コロナのせいで会えないという方に、複数おめにかかりました。いま、その判断が「感染対策」としては正しいとしても、とても胸が痛むことだと、ずっと思っていました。

 

「できないこと」だらけの状況のなかでも、こうして患者さんやご家族の気持ちに寄り添って、少しでも何かできることはないのかを考え、行動するナースたちがいる(きっとわたしたちの病院だけではなく、いろんなところで実践されてると思います)ことを、お伝えしたく、投稿させてもらいます。

 

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今日は夕飯に、新玉ねぎまるごとお味噌汁をつくりました。

ちっちゃくてまん丸の新玉ねぎを「まるごと」お味噌汁の「具」にします。青ネギのかわりにニラのみじんぎりを入れました。

 

春(というか、もう初夏ともいえそうな・・・)の味が、口いっぱいに広がって、しあわせでした。

 

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追記

 

いつも、本文を書く前に一度タイトルをつけて、最後にタイトルと本文を確認して「投稿」しています。今日もそのようにしたのですが、いま、読み返してみて、タイトルだけをつけかえました。

 

自分自身も、その当事者として思うところですが、患者さんに会いに来る方が「ご家族」であるとは限りませんね。血縁や法律上の「何某」だけが、ひとを結ぶものではないと思っています。

 

そのひとにとっての「大切なひと」=「家族」とは限らない。

 

そのことを、タイトルにだけ、いれておきたいと思います。