ちっちゃい頃、うちのおかんに季節のイベントごとを催してもらったことがほとんどなかった。クリスマスケーキも、自分で買うまで買ってもらったことがなかった。「季節外れのイチゴに生クリームに砂糖だらけのスポンジケーキなんて、体に悪いだけや」とか「ケーキなんて贅沢せんでもええ。寒空に家のない人もいてんねんで」とか、おかんの言葉ばっかり憶えている。
だから、自分の子どもには、クリスマスケーキを買ってあげたいと思ったし、誕生日もちゃんとお祝いしてあげようと、結婚もしてないときから思い描いていた。
・・・はず、なのに、やっぱりおかんの影響は強烈で、結局、クリスマスケーキは何となく贅沢品な気がして、二の足を踏んでしまう。それと、ささやかでも「手づくり」を相棒ちゃんと一緒にしたいというのもあって、今年も家でプチクリスマスケーキを作りました。
カステラの切り落としをさらに半分の薄さにスライスして、フルーツと生クリームを挟んで、あとはトッピング。ホールの丸いスポンジもいいけど、どうせならとことん我が家らしく、「お買い得」感いっぱいに。
夕飯も相棒ちゃんと一緒に作って、何十年ぶりかで映画「ホーム・アローン」を相棒ちゃんのリクエストで観ながら、賑やかに食べた。
「なんか、クリスマスってかんじやなぁ」としみじみ言った相棒ちゃんに、「なんかおとなになったなぁ」としみじみ感じて、とても素敵な夜になった。
今日も職場ではコロナ陽性者が増えて、いよいよ業務を縮小する段階にまできた。この先を考えると不安が膨らむけど、でも、そこに飲み込まれたくはない。
笑うこと、食べることを楽しむこと、大切にしたい。