のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

誰かの音楽を応援すること。

週末、ひと月ぶりに歌を歌いに行ってきた。
楽器や譜面を提げてやってくる人たちと、ぶっつけ本番で一緒に演奏するのは、スリリングでもあり、宝探しみたいなワクワク感もあって、あっという間に時間が過ぎる。


用意していった曲以外にも、その場で「あの曲は?」ってなことにもなり、「そんな高い音程は出されへんわぁ~💦」と逃げても、「そんなこと言わんとやってみなよ」と煽られて挑戦することになったりする。でも、そういう挑戦からあたらしい世界が拓けるのも実際あって、ひとりで歌うのとはやっぱり違うなぁと思う。


そして、こないだはそれ以外に、すごくうれしいことがあった。


うちのおかんよりは明らかに年下だけど、でもきっと70代だろうなぁと思われる女性がひとりで来られていた。セッションタイムが始まる前から、自作の「歌詞ノート」をカバンから何度も出して頁をめくっておられるのを後ろのテーブルから見て、ずっと気になっていた。


で、「セッションタイム」(と銘打たれてはいますけれど、つまりは「好きな曲を歌って、バックの演奏やらコーラスやら、加わりたい人はどうぞ」という、とてもフレンドリーでアットホームな雰囲気。そこがとても好きで参加させてもらっています)が始まり、わたしからステージに上がらせてもらった。


自分の出番のあと、一緒に参加していた音楽友だちの曲にコーラスと鍵盤ハーモニカで加わって、そうこうしているうちに他の友だちも到着して、何曲か演奏したあと、「あの女性」がずっと観客のままだったので「歌われませんか?」と尋ねてみたら、最初は遠慮なさっていたけど、ステージに上がってこられた。「〇〇を歌いたいけど、カラオケで歌ってるだけだから、うまく歌えるかどうか自信がないけど」と言いながら、だけど、しっかり「歌詞ノート」から選曲されたのが何だかすごくカッコよくて、わたしは鍵盤ハーモニカでご一緒することにした。


伴奏が始まって、歌い出しのところにさしかかってわかったのだけど、もちろん生演奏なので「カラオケ」とは勝手が違って、どこから歌い出せばいいのか明らかに戸惑ってらっしゃった。なので、わたしがいわゆるカラオケの「メロディガイド(歌のメロディをそのまま弾いて、音程やリズムをキープするサポートをする機能)」をやることにした。ご本人の肩越しに、鍵盤ハーモニカでメロディを吹くと、ちょっと迷子になりかけていたその女性が、どうにか「ボーカル」のパートで軌道にのった。1番が終わって2番が始まるタイミングも肩をトントンと叩いて合図したりすると、だんだんノッてこられて、とても楽しそうに歌われた。


わたしは、その姿をみてとてもとてもうれしくなった。それと、すごく大事なことを教わりもした。


「あぁ~、やっぱりわたし、うまく歌いたいんだな」ということがはっきりわかった。楽しむよりも、なんか、どこかでカッコつけてるんだな、ってすごくそう思った。それって、ものすごく損なことだよな、とも思った。


2巡目のときは、フライングで順番を勘違いして早々にステージにあがってこられたりして、気合の入りかたがスゴかった。それもまたわたしにはすごいインパクトだった。女性のパワーがこちらにも伝わって1巡目よりもずっとうまくサポートもできた。まだまだ、まだまだ歌いたそうだった。バックの演奏も、最後の曲の頃には「にわかオーダーメイドカラオケ」みたいに彼女仕様になっていた。


女性は、帰り際、私のところに寄ってきて「最初は何がなんだかわからなかったけど、途中からすごく歌えるようになってうれしかったです。」とおっしゃった。「楽しかったですね」とわたしが言うと、「ほんとにね、楽しかったです」となんともキュートな笑顔で返してこられた。


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帰り道で、音楽友だちからもらったコメント。
「のんちゃんは、ものすごく楽しそうな表情してた。あぁ、この人は根っから、こういうことが好きなんだなぁって思ったよ」。


確かに。自分が歌うのも楽しかったけど、この女性の「バックバンド」と「メロディガイド」はすごく楽しくて、あったかい気持ちで音楽を一緒につくれた気がして、とても幸せなひとときだった。自分の歌には相変わらずあれやこれやと「いちゃもん」を自分でつけてブルーな気持ちになったりしちゃって、それと比べると、ほんと、全力で楽しかった気がする。


誰かの音楽を応援する。


初めてやってみたけど、これ、イイです。自分の音楽にも、なにか化学反応が起こりそう。





来月もお見えになるかな。


ちょっと、楽しみだな。

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日曜日は相棒ちゃんと「フレンチトーストモーニング」など召し上がった。そのあと、「古着女子デビューする」という相棒ちゃんにつきあって、なんと2万歩。なんとも忙しい週末でありました。