大事な大事な投票日の朝。
おかんのとこへ来て、一緒に朝ごはんを食べながら、安倍元首相のことや、それに影響を受けるであろう選挙の結果、そしてその後の政治のことを話している。
わたしは、彼が犯した数々の罪を償うことはおろか、問われることもなく、この世からいなくなったことが悔しい。
あのような手段で人の命を奪うことにはもちろん賛同しないけど、でも、「ひと一人の命の重み」が同じというなら、彼がついた嘘を覆い隠すために働かされて、死においやられた赤木さんの命を思わずにいられない。
だから、彼があのように命を落としても、それでも、「亡くなったひとのことは」とうやむやに終わらせたりしないで、問い続けないといけないって思っている。
でもそう思う一方で、まるで「弔い合戦」みたいな選挙になって、自民党がとんでもなくひとり勝ちしてしまうんじゃないかと、暗い気持ちにもなっている。
でも、おかんは違うみたいだ。
「わたしは希望を捨ててないで」。
おかんはカッコよく、そう言った。
野菜サラダをもりもり頬張りながら、トーストにイチゴジャムをたっぷり塗りながら、力強く言った。
「このままじゃあかんやろ」。
その通り。
このままじゃ、あかん。
おかんに言われると、本当に、本当に、そう思えた。
さあ、おかんのお手伝いが終わったら、家でテスト勉強してる相棒ちゃんを連れて、投票してこよう。
みんな、みんな、投票に行こう。
世の中を変えていくちからは、私たちの中にある。