のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

失敗からチカラをもらえるひと。

うちの母娘(わたしと相棒ちゃん)は、ときどきお風呂に入るのがめっちゃめんどくさくなります(笑)。「寒いし、もう、寝ちゃおっかな」とか思ってしまいます(笑)。相棒ちゃんなんか、JKなのにね、そういうとこ、恐ろしく「テキトー」で、「だって、彼氏がおるわけじゃないし、誰も気にしてないやろ」とか言います。

 

ゆうべも寒かったから、ふたりの間に変な連帯が生まれて、「どうするぅ~?やめとく?」とか悪魔が囁いたのですけど、「いや、もう、勢いつけて一緒に入ってしまお」となり、ふたりで賑やかに入りました。(本日は写真はないよ、笑)

 

ひとりが湯舟に浸かって、もうひとりがシャンプーとかするのだけど、台所やテーブルで話すよりも、お風呂に一緒に入りながら話すほうが、なんだかリラックスして、いろんな話ができます。

 

ゆうべは「東大前での事件」の話になりました。

 

相棒ちゃんは「まだ高2やのに、なんでそんなふうに思ってしまったんやろなぁ」と。そして「悪い方向にしか考えられへんかったんかな」とも。

 

「〇〇なんて・・・・なぁ、おかあさん」と振られた話。ほんと、「その日」は大変なことになっていたのですよ。

 

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相棒ちゃん、看護学校を3つ受験しまして、本命校の試験は最後にありました。1校目の受験日はちょうど仕事も休みだったし、「できるときにはおかあさんらしいことをしよう」と思って、車で送迎してあげました。

 

我が家には相当珍しく、思いっきり余裕をもって家を出発。学校近くのマクドナルドで時間調整して、それでも時間をもてあまし、学校の周りを探索しながら正門に向かいました。

 

 

そしたら・・・・

 

 

え?誰もいてないけど、なんで?

 

 

めっちゃ静かやけど、なんで?

 

 

「〇〇学校入学試験会場」とか書いてないけど、なんで?

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか、あんた、会場間違えてないか?!

 

 

 

 

 

いや、スマホの「入試会場地図」見たけど、合ってます。

 

 

 

 

 

え?

 

 

 

そしたら

 

 

 

あとは可能性はひとつしかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「試験、今日なん?」

 

 

 

 

 

 

 

わたしの質問に、オロオロしながら相棒ちゃんが再度スマホの画面をスクロール、スクロール、スクロール・・・・・

 

 

 

 

 

 

相棒ちゃん、凍りつく。

 

 

 

 

 

 

 

「おかあさん、今日じゃない」

 

 

 

 

 

 

え?

 

 

 

 

マジで?

 

 

 

 

 

ほんなら、明日?来週?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「きのう」

 

 

 

 

 

 

 

はぁ?!?!?!

 

 

 

 

ことばを失くしましたよ。しばし、文字通りの絶句。

 

 

 

 

 

 

 

 

で、ものすごく冷たく言ってしまった。

 

 

 

 

「それ、信じられへん」

 

 

 

 

 

 

なんか、いま思い出すと、やさしくないよなぁと思うのだけど、その先の言葉が浮かばなくて、もう黙ったままスタスタとコインパーキングに向かって歩き始めてしまいました。しかも、頭が真っ白で歩いているから、途中で道に迷った。

 

 

で、どうにかこうにか車に乗り込み、まったく無言で運転して、どこをどう走ったか、思い出せないけど、家に辿り着いた。

 

 

「そこは親の責任でしょ」と思われるかもしれないけど、わたしは相棒ちゃんに「おばあちゃんには自分で責任もって報告しなさい」「学校と塾にもあんたが自分で連絡しなさい」と言いました。もちろん、あとから両方ともに「親として」の連絡はしましたが、最初の第一報は本人からさせようと思いました。

 

 

家に帰るまでは、相棒ちゃんの「詰めの甘さ」をただただ責める気持ちでいたけど、涙目で自分の部屋に入ってばあちゃんに電話で報告する相棒ちゃんを見ていると、今度は自分が情けなくなってきて、へたりこみました。

 

 

「親として、何をやってたんかな」と思いました。完全に本人任せにして、最後の点検とか、一緒にしなかったし。入試の日程を間違えるなんて、そんなこと想像もしなかった。だけど、思い返せば、いまどき、入試要項とか、案内とか、全部スマホにメールで届くんです。だから、一緒に内容確認するってこと、まったくしなかった。何が届いているかも把握してなかった。

 

 

それは、いくらなんでも、あんまりにも、ほったらかしすぎたのではないかと、猛省しました。

 

 

一緒に試験を受けることはできないけど、せめて、何がどうなっているのか、いつ何をするのか、そういうこと、ちゃんと「見える化」して共有しなきゃ、これはあかんな、と思いました。

 

 

で、コルクボードを廊下に貼って、そのあとに続く本命校の受験案内と、カレンダーに「いつ、なにをするか」を相棒ちゃんに書かせて、御守も一緒に貼り付けました。そして「おかあさんもあかんかった。あんたも甘かった。だから、ここから一緒にがんばろ」と伝えました。

 

 

 

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結果、相棒ちゃんは、あとに続く「滑り止め」と「本命校」の両方で合格通知をもらいました。

 

 

本命校の面接では、さらに、ちょっとしたハプニングがありました。

 

 

「あなたのお母様も看護師さんなんですね。この受験のこと、どうおっしゃってますか?」と面接官に尋ねられた相棒ちゃんは、「応援してくれてます」と答えたかったらしいのですが、そのことを口にしようとしたら、突如いろんなことが頭をよぎって、涙がこみあげてきて、ぽろぽろ泣いてしまったそうで。

 

 

面接を終えてLINEで報告してきたとき、「おかあさん、あかんかも。落ちたかも」と書いてきました。「言いたいことは全部言えたと思うけど、泣いてしまったから、全部チャラになった気がする。あかんと思う」と。

 

 

わたしは、「あぁ、それであかんかったら、あかんかった時やで。あとは待つだけ」とお返事しました。

 

 

(結果は、まさかの合格でした。)

 

 

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うちの相棒ちゃん。いろいろやらかしてくれるひとですが、この、とんでもない失敗から起ち上って、よくがんばったよな、と、我が子ながら感心します。

 

 

で、ゆうべのお風呂で相棒ちゃんが言ってました。

 

 

「失敗しても、そこで終わりちゃうねん。

それをチカラにしたらええねん」

 

 

 

ほんまよ、ほんま。

 

 

失敗からチカラをもらって、またがんばればいいんですよね。

 

 

「失敗してもまたがんばる」ことが保障される世の中であってほしい。道は一本道じゃなくて、脇道とか、迂回路とか、いろいろあって、「一回休み」みたいなのもあっていい。行き止まりはないよ、と相棒ちゃんにも、自分にも、みんなにも、言いたいです。