のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

やっと「普通の朝」(コロナワクチン2回目覚書)

ものすごく久しぶりに、「普通の朝」を味わっている。

 

随分と前に感じるけど、思い返せば水曜日の午後に新型コロナワクチンの2回目を接種した。「2回目は熱と接種部位の痛みが強いから、できるだけ翌日を休みにしておこう」という方針で、わたしも翌日休ませてもらう段取りをとって臨んだ。

 

熱と痛みに備えて、解熱鎮痛剤も5回分持って、でも、どこか「まぁ、わたしは大丈夫」な気がして、「あんまりしんどくないけど、一日休めるから、どんなふうに『おうち時間』を楽しもうかな」なんて思ったりしていた。

 

そしたら、実際は、とんでもなかった。

 

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接種したのが午後4時前。

念のために、解熱鎮痛剤を、まだ痛くも熱っぽくもなかったけど「先飲み」して、夕飯は、ちょっとサボって、お気に入りのラーメン屋さんで食べて帰った。

 

帰宅してちょっとゆっくりして、さっとシャワーを浴びて、布団に入ったところまではよかった。

 

少し眠って、注射した腕がズキズキ痛んで目が覚めた。・・・と思ったけど、いまから思うと、高熱で眠っていられなくなって目が覚めた。

 

そしたら、みるみる全身の関節という関節が痛くなり、頭は脈と同じにバクバクと割れそうに痛くなり、階下の相棒ちゃんに助けを求めるにも動けなくて、這うようにしてトイレにだけは辛うじて自力で行って、水分だけ、なんとか摂って、朝を迎えた。

 

「ちょっと楽しいお休みになるかも」なんて思っていた自分の愚かさを全身で感じる、長い長い一日の始まり。

 

夜中に測った体温計で、「36.8℃」とかいう値が出たのが信じがたく、助けにきてくれた人にお願いして、新しい体温計やら、ゼリーやら、のどに通りやすそうなものを買ってきてもらった。

 

測った熱は、やっぱり「38.6℃」。高かった。そして、以前インフルエンザで40℃の熱を出したときの数倍と思える関節の痛み。身の置き所がないって、このこと。いろんな病気で痛みを抱えるひとのつらさを、ほんの一瞬だけど体験した。ワクチンの副反応だから、いわゆる「病気」ではないのだけど、でも、このレベル、このつらさ、「これ以上ひどくなったら、ほんとに、ただの副反応で終わるんだろうか」という不安が朦朧とした頭にもよぎる。

 

幸い、もともと「食べてなんぼ」の人間なので、食欲だけは維持されて、水分も摂れたし、「なんか食べたい」とも思えて、ゼリーやら、アイスクリームやら、ハーブティやら、あれこれ、口に入れることはできた。これがなかったら、わたし、ちょっとどうなっていただろう、と思う。

 

熱は、解熱鎮痛剤を飲んでいても、結局のところ、丸1日+半日のあいだ、38℃~39℃台が続いた。関節の痛みも同じ時間続いた。途中からはぎっくり腰になったような腰痛も加わって、寝ていることもつらい状態。

 

正直、具体的なことを覚えていないぐらい、朦朧としんどかった。(覚書になってないな、笑)

 

ようやく昨日の午後あたりから、台所のベンチでクッションにもたれてテレビを観ることができた。相棒ちゃんとちょっと会話する元気も出てきた。ごはんも、しっかり食べられた。

 

途中、頑固一徹おかんに報告しないわけにいかず、超絶かいつまんだ報告を電話でしたけど、そもそも電話ごしのわたしの声がおかしいので、そりゃ、母親歴50年以上だから気付かないわけがなく、「あんた、それ、ほんまに大丈夫なんか」とものすごい心配されてるのが、これまたスマホごしに伝わってくる。「あぁ、だから言いたくなかったんだよな」とか思いながら、そりゃ、親だもん、そうだよな、とかも思う。

 

ゆうべは、身体が随分楽になったので、頭がいろいろ回転しはじめて、夜な夜な、考え事をした。

 

①コロナワクチンの副反応は、年齢が若いほど強くでる、男性<女性で症状が強いという報告があるけど、「若い」って、どれぐらいの定義なのか知らないけど、50代のわたしでも、こんなにすさまじい症状です。

 

②「2回目の翌日は副反応を想定して仕事を休みにしたほうがいい」というのは、看護師仲間のなかで伝わってきたけど、世の中的にはあまり大きく言われてなかったんじゃなかろうか。

 

③もちろん、全員が全員、こんなひどい副反応を体験はしないだろうけど、これ、もし高齢で独り暮らしだったら、水分も、食べ物も、段取りが難しくて、直接副反応によって、ということでなくても、命にかかわることがあり得るんじゃないか。

 

④いま、「早くワクチンを打つ」ことに躍起になっているけど、「アフターワクチン」に対して、非常に無防備なんじゃないか。

 

⑤少なくとも、自分の病院でこれから接種していくひとに向けては、とくに2回目接種のあとの副反応の可能性について、「備えあれば」の精神で、ヒトやモノの段取りをしておくことをお勧めしたほうがいいだろうな。

 

⑥これが一番おおきなことだけど、つらいときに面倒みてくれるひとがいることの有難さ、心強さってものすごい支えになる。だけど、そういうひとがいないひとが、きっとたくさんいるのだ。あぁ、そういう社会のなかで、わたしたちは生きてるんだよな、ほんと。

 

⑦もちろん、どんな国でも、どんな政治のもとでも、この副反応は同じように出るのだろうけど、それでも、このつらい症状を体験して、なんというか、なおのこと、身をもって、いまの政治に対する不信感を新たにした。市民の不安に対応する構えなんてちっともないし、寄り添う精神なんて毛頭ない。そんなかんじ。

 

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そして、やっとのことで「普通の朝」を迎えた。

 

窓を開けて、風を入れながら、「ただのお白湯」をゆっくり身体に取り込む。

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たまった洗濯物を洗濯機にお願いして、久しぶりに「朝ごはん」を自分で作る。

 

その「普通の朝」の、なんとありがたいことか。

 

もちろん、わたしの、この経験が、ほかのひとにも起こるとは限らない。だけど、「そんなことがあるかもしれない」と頭の片隅にでもおいて、これからの接種に臨んでもらえたらと思う。ただ、しんどすぎて、具体的なことはかなり忘れてしまっていて、参考にならないかも、なのだけど。