こんばんは。
お昼からの時差出勤の仕事がやっと終わった。「ひとり仕事」だったので黙々と、書類の山と格闘。途中、ボスと短いミーティングをして、来週から始まるおおきなプロジェクトのスタートラインには、何とか立てそうなイメージがついたかな。「ない」と言えば嘘になる不安も、すこしはちっちゃくなった・・・・・かな。
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今日の午前中、朝いちばんでの用事が終わったあと、なんとなく、すぐに仕事場に足が向かなくて、ちょっとどこかでリセットしたかったので、駐車場までの道からちょっと外れて、うろついてみた。
最寄りの駅の改札口のすぐそばに、ちっちゃい間口の本屋さんをみつけた。
いつも駐車場から目的地まで、決まった道を歩いていて、その道中で、いろんな買い物はするのだけれど、それ以外の場所に目を向けたことが、そういえばなかった。なので、その本屋さんのことも、今日の今日まで知らなかった。
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「開いてんのかな、閉まってんのかな・・・」。”ぱっと見”ではわからないぐらい、ちょっと怪し気。
恐る恐る入ってみたら、レジの奥から、おっちゃんが「いらっしゃいませ」と言ってくれた。その、ごくごくあたりまえの挨拶が、けれども、なんというか、ものすごく「よく来たね」という気持ちをのせた挨拶に聴こえて、「いやな予感」の正反対の「いい予感」が一気に、してきた。
そして、その「いい予感」が大当たりであることを、次の瞬間に、確信した。
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なにしろ、本の並べ方に、一目惚れ、した。心を掴まれた。
たとえがうまく浮かばないのだけど、ほんとに、お店に一歩足を踏み入れたら、そこから、まったくの別世界。時間が、止まる感じがした。
出版社別、とか、作者別、とか、ましてや「おとな向け」「子ども向け」とか、そんな分け方は一切していない。
ものすごくゆるやかに、ものすごく想像力をかきたてられるような分類、とでもいえばいいのかな。
本の並べ方だけを眺めているだけで、好奇心を思いっきり刺激される。
この一角は、なにをテーマに集めてるんだろ。
そんなことを考えながら、もう、お店の本棚の隅から隅まで眺めてしまいそう。おっきな出版社の本と一緒に、同人誌みたいな本も並んでいる。平積みの本も、いわゆる「売れ筋」ではなく、おそらく店主さんのこだわりのチョイス。
壁には、なんともいえず味のあるポスターや、ちょっとした「書」や「絵」が無造作に貼られていたり、モビールがぶらさがっていたり。
それにしても、この居心地のよさは、どこからくるのだろう。
・・・・・・あ、わかった。
本屋さんにしては、お店のなかが、明らかに「暗い」のだ。
照明が、とてもやわらかくて、やさしいのだ。
それと、ちっちゃめの音量で流れている音楽が、これまた素晴らしい。
時々、頭上から響く、電車が通る音と、軽い振動も、音楽みたい。
途中、何組かお客さんが来て、お店のおっちゃんとのやりとりが小さく聴こえる。これがまた、なんか、せわしなさが全くなくて、ゆっくりと言葉が行き来する心地よさを味わえる。
「お料理」「手芸」の棚を丁寧に物色したあと、さらに奥へ。
そうそう、「音楽」の棚はあるのかな。
ゆっくりゆっくり探して、やっと見つけた。
写真におさめたいぐらいの、魅力的なタイトルが並んでいて、わくわく、にやにや(笑)。
そして、迷った末に、やっぱり買ってしまった。
訳者が湯川れい子さんなのだもの。買わずにいられなかった(笑)。
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お金を払って、本を受け取って、お店の外に出てスマホを見たら、1時間近く経っていた。ぜんぜん、そんな長居をした気がしなかったけど、でも、逆に、遠いところから現実世界にポンと戻されたような、そんな気持ちにもなった。
まるで「不思議の国のアリス」みたい。
まるで「ナルニア国物語」の、あのタンスの奥の世界みたい。
時間が止まる本屋さん。
もう、来週が、待ち遠しい。