のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

胸のつかえが、とれた夕方。

おはようございます。

 

今日は、家の用事で仕事はお休みです。朝から洗濯と掃除と、相棒ちゃんのバイトの送り(甘やかしてんじゃないよ~~、だな)をして、メインの用事も午前中には終わりそうだし、午後からは少しゆっくりできそうです。

 

昨日の夕方、ずっと気になっていた仕事のなかまに連絡して、お茶を飲みながら1時間ぐらい、話してきました。

 

仕事場で顔を合わせてはいるけど、やっぱり「仕事のとき」は「仕事の顔」だから、ちょっと呼び止めて話しかけるって、なかなかできないのですよね。それに、5分とか10分で終わる話でもないし。立ち話でするような、そんな「ちょっとしたこと」でもなかったので。

 

仕事以外で、あまり個人の電話はしない主義だけど、そこも思い切って、連絡してみました。連休の最終日の夕方って、ちょっと家庭をもってる者同士、配慮に欠けるかな、と思わないでもなかったけど、でも、なんとなく、昨日は「いまだよ」ってわたしの勘がささやいたから。彼女は、思っていたよりずっと明るい調子で電話に出てくれて、時間の都合もつけてくれた。申し訳ないな、とはもちろん思ったけど、決めたからには、もう、うじうじと遠慮はしないでおこう、と小さな決意をしました。

 

彼女のおうちの近くまで、わたしが出向いて待ち合わせました。最初の一言を、なんて切り出せばいいか、車を運転しながらあれこれ思い巡らせて、ちょっと口に出して練習までしてみた。

 

練習の甲斐がどこまであったか、「わたし、心配してることがあって」と切り出すと彼女は「わかってます。〇▽※ですよね?」って、いきなりのご名答。「〇〇さんがそれを気にしてくれてるのは、わかってました」とも。

 

そこからは、むしろ彼女のほうが主導で会話が進んだ。わたしの心配していたこと、仕事場で漠然と見えていた「心配」のリアルな輪郭が見えるはなしを、彼女からきいた。思っていたより大変だな、と思う反面、それだけのことを彼女がもうすでに認識して、整理して、それをどうするか、考えていることがわかって、ホッともした。

 

わたしは、きっと「こうしたらいいんじゃない?」っていう答えを自分が持ち合わせていないし、彼女から話を聞いたあとも、きっと答えは出せないだろうと思っていた。でも、それでも、直接顔を見て、ちゃんと話を聴こうと思っていた。そして、わたしが一番彼女にできることは、まさに、その「直接顔を見て、ちゃんと話を聴く」ことだったのだと、すごくよくわかった。彼女は、答えに困ってはいなかった。それを一緒に知っていてくれるひとがいることが、彼女にとって、一番大事なことだったのだな、と彼女の顔を見ていて、とてもそう思った。

 

そして、「もっと早く、声をかけたらよかったな」と思った。わたしがそれを躊躇していたのは、「彼女が、わたしと話すことを望んでいるのかな、わたしは『招かれざるひと』なのではないかな」という自信のなさと、「何もできないかもしれない自分」への心許なさ。でも、それは、どっちも、彼女のための気持ちではなくって、彼女と向き合ってる「わたし」を護るための気持ちだったんじゃないのかな、と思った。彼女の話を聴き終えて、そのことを彼女に伝えたかったけど、それを言っちゃうと、最後の最後、こっちが泣いてしまいそうだったので、やめといた。

 

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出かけるまえ、居心地が悪いぐらい静かな自分のリビングで、「もし、彼女とうまく話が進まなくて、わたしの伝えたいことがうまく言えなかったら、これを渡そう」と、いくつかの本を紙袋に入れて持参していた。だけど、結局、彼女のおかげで、これらの本は、彼女の手に渡ることなく、わたしと一緒に、わたしの家の本棚に帰ってきた。

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わたし自身、凹んだときに、よく開く絵本と詩集。

彼女の手には渡らなかったけど、どんな詩を届けたかったか、自分の記録に残しておきたいので、ここにアップしておこう。

 

原田大助さんというひとの詩集のなかから

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原田大助詩集

「土の中には 見えないけれど いつもいっぱい種がある」

金の星社

定価1000円+税

 

 

彼女のおかげで、わたしの胸のつかえが、とれた。

 

結局のところ、「話をしたかった」のは、わたしのほうで、「話を聴いてほしかった」のも、わたしのほうだったのかもしれないな、と思いながら、日がとっぷり暮れる前の、夜になりかけの夕方の道を歩いた。

 

心配しているつもりだったけど、ほんとは、どうだったのだろう。

 

心配しているわたしを、彼女が心配してくれていたのかもしれない。

 

 

 

 

そんなときがあってもいいよね。

 

そんなことがあってもいいよね。

 

そうしてまた、なかまとして、きっと、がんばっていけるような気が、するから。