こんばんは。
唐突ですけども、わたし、江國香織さん、大好きなんです。
ふわっと、綿菓子みたいな感触のことば。
どギツいことを書いているのに、パステルカラーのような。
純和風なお話なのに、なんとなく巴里の香り(巴里の香りは、知らんのだけど)。
男女の仲も、アツいんだけど、ギトギトはしてなくて。
超絶ハッピーエンドでもなく、救いようのない不幸でもない。
そんなとこが、大好きなんです。
それと、江國さんが食べものについて、食卓について、「食べる」という行為について書いた文章もイイんです。
久々に読んだ『やわらかなレタス』。
フライパン問題と目玉焼き
テフロン加工の「ひっつかない」フライパンの利便性に敗けて、わたしたちはちょいと「なまけもの」になってないかな、って、江國さんが問いかけてくるんです。
重たくて、扱いにいくいフライパン。油をひくタイミングや、火加減を間違えると、途端にくっついてしまう。そのわずらわしさから解放されたくて、テフロン加工のフライパンを買いました。結構な頻度で使ってもいます。だけど同時に、昔ながらの、もう30年以上のつきあいのフライパンも捨てずに、大事に大事に使っています。
ゆうべと今朝のハンバーグも、迷った末に、昔ながらのフライパンで焼きました。やっぱりおいしかった。焦げ目も、ちょっと焦げそうになった「端っこ」も、「ひっつかない」フライパンじゃ、こうはいかない。
あ~ん、焦げ目の写真がない(笑)。今度また撮ります。
「便利な道具」を使うと、確かに時短になる。出来上がりの見た目は悪くない、というか、とてもよい。だけど、なんだろ、どっかで物足りなさを感じてしまうときがあります。やっぱりね、あっつあつに熱したところに油を敷いたり、火加減をいちいちチェックしたり、焦ってひっくり返したくなるところを、ちょうどのタイミングまで気長に待ったり、そういう、ちょっとした「台所の知恵」みたいなの、あたまのなかも、手先も、ちゃんと鍛え続けていたいと思うのです。
かといってね、朝のバタバタしてるとき、それが出来るかというと、ちょっとツラい。だから、朝のお弁当づくりには、「ひっつかない」フライパンに活躍してもらいます。そのぶん、夕飯のときや、週末には、重たいフライパンで、じっくり、ゆっくり、料理をしたい。
その、強弱というか、濃淡というか、それを江國さんは知ってらっしゃる。体感もしてらっしゃる。そのどちらもが、台所にとって欠かせない存在だということを、独特の切り口で綴ってくれる。
そこが、大好き。
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今日の夕飯は、うちの相棒ちゃんお得意の、鶏の手羽中のから揚げ。
わたしは、得意料理の「買ってきた水餃子で、野菜満載スープ」と、野菜関係を担当いたしました。
新たまねぎは、新鮮なにんじんと一緒に電子レンジでしなっとするぐらい「チン」して、ポン酢と鰹節で味付け。キュウリとラディッシュは塩もみしてから、たっぷりのレモン果汁とマヨネーズで和えました。
相棒ちゃんがから揚げを揚げてる隣で、スープを作っているのがとても幸せ。
江國さんみたいに「巴里の香り」はしないけど(笑)、でも、やっぱり、わたしの大好きな、場所です。