おはようございます。
静かな日曜日の明け方を迎えています。
久しぶりに「真夜中映画会」をやりました。
しかも、前段にいちごジャムなんか作っちゃいました(笑)。「ジャム用」として売られている、いわゆるB級品のいちごが出ると、迷わず買ってしまうわたし。いちごジャムは、家族にも、友だちにも大人気なので、「作りすぎ」ってことがないのです。
へたをとったイチゴの重量の3割の重さのお砂糖と、たっぷりのレモン果汁を、いきなり火にかけて、ひたすら煮詰めていくだけの、ル・クルーゼでのレシピ。焦げないようにしっかり混ぜながらだけど、それ以外の手間や技術はぜんぜんありません。
甘いいちごの匂いに包まれて、できあがっていくジャムの鮮やかな色を眺めるのは、なかなかに至福のひとときです。
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そして、始まる「ひとり映画会」。
本日の上映作品は、『バックビート』。
以下、DVDケース裏面の「STORY」欄をそのまま引用させていただきます。
1960年、イギリスの港町リバプール。
美術学校へ通う19歳のスチュアート(スティーブン・ドーフ)は同じ学校の親友ジョン・レノン(イアン・ハート)に誘われ、地元で活躍していたバンドに加わる。力をつけてきた彼らは、ドイツ・ハンブルグに巡業に出かける。そこで、スチュアートは写真家のアストリッド(シェリル・リー)と運命的な出会いをする。次々に魅力的なナンバーを披露するビートルズの評判はハンブルグで高まっていくが、画家になる夢を捨てきれないスチュアートの心は次第にビートルズから離れていく。
この映画のことは、以前、smokyさんから紹介されていて、廉価版を見つけて買ってはありまして、購入直後、一度は観始めたのですけれど、ちょっとしたハプニングと言うほどでもないハプニングがあって、開始15分ぐらいのところで「一時停止」したままだったのです。
そのハプニングというのは・・・・
巡業に出たビートルズのメンバーが、最初に歌っていた場所は、いわゆるライブハウスみたいなところではなくて、ストリッパーのダンスがメインのような感じのお店で、ビートルズはダンスステージの合間を埋めるようなかたちで演奏していたのですね。そして、メンバー自身も、そこに現れる女性たちと、なかなかにハードに「一夜を共に」している場面が、幾度か画面に登場したのです。
わたしのなかのビートルズは、最初っからスタイリッシュで、最初っからヒットチャートを独走していて、最初っから「伝説のバンド」。まさか、こんなふうな時代があったなんて、こんなバックステージの日々があったなんて、想像だにせず、だったので、まさに面食らってしまったのと、観始めたときは、高2の相棒ちゃんがそばにいたので、そのシチュエーションにも焦ってしまい、急いで「停止」ボタンを押した次第。ちなみに、わたしは、相棒ちゃんと一緒にいるときに、そういうシーンを観るのがすごく苦手です。どこに眼をやっていいか、わからなくなる(笑)。最近では相棒のほうがよっぽどオトナで、もじもじして、たじたじになっているわたしを見て、「おかあさん、もぉ、そんなビビらんといてよ(笑)」とか言われてしまってます。
脱線しました。
映画は、「もうひとりのビートルズ」だったスチュアート・サトクリフの「短すぎる」人生に焦点をあてながらも、ビートルズがどんどん有名になっていくプロセスと、そこに大きくかかわったアストリッドという女性のことも描いています。わたし、「全身黒づくめ」が似合うショートカットの女性って、ものすごく憧れる。アストリッドは、まさに、そっくりそのまま、わたしの憧れのスタイルでした。あの個性的なビジュアルで、そして自分たちの魅力を見抜いて、あれこれアドバイスされたら、当時のビートルズにとっては、きっと特別な存在だっただろうなと思います。「貴女の言うことなら何でも聞きます」ってことじゃなく、自然と、知らないうちに、自分たちのなかにある「原石」を見出してくれて、そしてその「原石」の磨き方まで示してくれる彼女に、ほんとに知らず知らず、大きな影響を受けていったんだろうな、という印象を持ちました。
ビートルズが、ビートルズになっていくために、決して欠くことのできない人物が複数おられると思いますが、アストリッドも、まさにその一人だったんですね。「出会うべくして出会った」のかもしれないけど、ひととひととの「出会い」、あらためて、その大切さについて、考えさせてもらいました。
それと、メンバーひとりひとりの、人となりの描写がまた、わたしにはとても興味深くてたのしかった。
①皮肉屋さんなジョン。だけど、寂しがり屋なジョン。早口でまくしたてて、だけど、言い捨ててしまわず、ちゃんとその後を観察してるジョン。
②冒頭、ハンブルグに向けて船旅に出たところ、「親父も船乗りだから」と自信満々だったジョンがひどい船酔いで吐いてしまい、自分の靴も汚されてしまうんだけど、一瞬怒っただけで、あとは冗談を言って紛らせて、隣にいてくれるポール。
③グループのなかのドラマーのポジションについて、どこかでいつも、何かを考えていたピート。
④リバプールからドイツへ渡る船に乗る直前、おかあさんから「自家製スコーン」を手渡され、「こんなの持って行くの、はずかしい」と突き返そうとするジョージ。そして、ハンブルグでのバンド活動の合間、ほかのメンバーが女性たちとベッドにいるとき、ひとり建物の外で、女の子(彼女はほかのメンバーのガールフレンドと同じようにしたかったみたい)と「立ち話」でとどめる、とてもお行儀のよいジョージ。
⑤アストリッドに出会って、一瞬で恋に落ちたけど、ジョンのことをいつもおもんばかっていたスチュアート。自分にはなくて、ジョンにはあるもの(そう思い込んでいたもの)に押しつぶされそうになりながら、スターダムにのしあがることを夢見るビートルズとの距離を徐々に感じながら、どうしたらいいのか、ずっと苦悩していたスチュアート。
⑥スチュアートの留守中に、一度だけ、スチュアートが使っていた2段ベッドで仮眠していたリンゴ。ほとんどセリフがなくって、ちょっと登場しただけだけど、なんとなく、不思議な存在感を醸し出していたリンゴ。
彼らが、この映画に描かれた時期以降、どんなふうに変貌を遂げていくのか。
半世紀以上も遅れてしまったけど、それでも、今更だけど、目が離せない。
そう。そして、ビートルズではないけれど、アストリッドでもないけれど、もうひとり、大事なひとが、そこにいました。
シンシア・レノン。1962年から68年まで、ジョン・レノンのパートナーだったシンシア。
DVDのパッケージの裏面のCASTのところにもクレジットされていないのが、ちょっと「はてな」なのですけれど、当時のジョンにとって、どんな存在だったか、当時のシンシアにとって、ジョンがどんな存在だったか、とてもわかる気がするシーンがありました。
実は、先日、わたしにしては、かなりの奮発で1冊の古本を買いました。
『ジョン・レノンに恋して』
シンシア・レノン著
吉野由樹 訳
発行所:河出書房新社
映画のほんのいくつかのカットにしか登場しなかったシンシアだけど、わたしは、シンシアの眼に映ったビートルズを、ジョンを、知ってみたいと思っています。
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やっと観れた、『バックビート』。
そこから、またいろいろとわいてきた、ビートルズビートルズのサウンドへのワクワク感、疑問、好奇心、いろいろ、いろいろ。
それらを、ゆっくりと、味わいながら、また、ひとつずつ、知っていこうと思います。
あ~~、今日も長くなっちゃった。
でも、これまた、割愛できないのね。ごめんなさいね。
読んでくださり、ありがとう!!
今日はお天気だから、このまま、公園に散歩に行ってきます。
では、また。