のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

潜水艦に乗って。(ひとり映画会長文レポ)

こんにちは。

 

少し前、ユーチューブのザ・ビートルズ公式チャンネルでアニメ映画『イエロー・サブマリン』が配信されたことは知っていたけど、うまく時間をつくれなくて、観ることが叶いませんでした。

 

わたしの音楽のセンパイ、smokyさん(id:beatle001)のブログで映画のことを読み、「Amazonで注文しようかな。字幕はついてるのかな」などなど、コメント欄から質問した私に、思いがけず「わたしのを貸してあげるよ」と言って下さいました。

 

小躍りして喜んだわたしは、早速に送り先をお伝えして、到着を心待ちにし、無事昨日の夕方、受け取らせていただきました。

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ほんとなら、一刻も早く観たかったのだけど、どうせならリビングのおっきいテレビを独り占めして観たかったので、今日までガマン。午前中に1回と、相棒ちゃんに「え、おかあさん、また観るん? おかあさん、ビートルズが好きになったん?」と驚かれながら、午後からもう1回観ました(笑)。

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、ざっくりとあらすじを

昔々、海の底に、平和で音楽を愛する国ペパー・ランドがありました。ある日ペパー・ランドで人気のサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドがコンサートを開いていると、音楽が大嫌いなブルー・ミーニーズが現れ、ペパー・ランドへの侵略を始めます。人びとは石に固められてしまい、国から愛や音楽が失われてしまいました。指揮者のフレッドは司令官の役を担って、潜水艦「イエロー・サブマリン」に乗って外界へ助けを求める旅に出ることになりました。イギリスのリヴァプールに辿り着いたフレッドは、まずリンゴ・スターに出会い、ペパー・ランドの危機を話して「一緒に何とかしてほしい」と頼みます。リンゴ・スターはビートルズの仲間であるジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、ポール・マッカートニーと共に、ペパー・ランドを救うため、イエロー・サブマリンに乗って海の底へと出発したのです・・・・・。

 

まず、映像がすごく素敵なのです。「今年の新作」といっても全然違和感がないと思うぐらいの「斬新さ」と、色彩の美しさ。絵の1枚1枚の素敵さと、それがアニメーションになったときの、さらなる躍動感みたいなのが、素晴らしい。

 

それと、もちろん1968年なので、ほんと「愛と平和」のムーヴメントがきっとすごかった時期。そのなかにあって、ストーリー展開が、まさに「王道」。なのにベタなかんじがしない。押しつけがましくなく、すごく自然に、映像として、音楽として、十二分に楽しめるなかに、メッセージも込められているというかんじです。

 

そして、わたしが一番「もう1回観たい」と思ったのは、ビートルズの4人の「それぞれの色」がセリフや動きのなかにいっぱい込められていたところ。

 

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ここから先は、ほんとに、ビートルズのこと、なにも知らないわたしが、純粋に、わたしの印象で書かせてもらうことなので、長年のファンのみなさまは、どうぞ寛容に、温かく受け止めていただければと思います☺☺☺

 

まず、司令官が最初に出会ったのがリンゴ・スターだったこと。

リンゴは、ビートルズのなかの「アイドル」ではなかったと思うのだけど、この大事なミッションを、一番最初に伝える相手として登場したことがとても印象的でした。多くを語らないけど、一番安定して、ビートルズをビートルズにしてきた人なんだろうな、と。

 

ジョージは「瞑想のひと」。実体の後ろ、裏にある「本質」をいつも追いかけるひと。インドの楽器の音色の使いかたもとても印象的で、「みんな見て すべては想像のままさ」なんていうセリフが、あのちょっとエキゾチックな顔立ちにマッチして、すごく奥深くてカッコよい。

 

ポールは、登場のシーンから「プレイボーイ」であり「人気者」。4人で醸し出すカラーを、常に暖色というか、明るい色に引っ張るひと。

 

そしてジョン。

1を聞いて10を知るひと。「知った」と言い張れてしまうひと。ものごとの考え方に、時間軸も、右も左も、老いも若きも、男も女も、ボーダーレスで、自由でいられるひと。

 

この4人だからビートルズであって、この4人だから、ずっとビートルズで在り続けることが難しかったのかな、と思いました。

 

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で、ね、挿入された曲たちは、全部聴いたことはあって、部分的には歌詞も知っていて。なんだけど、この映画で、いままでよりずっと胸にストンときました。ストンときたし、グッときた。

 

『イエロー・サブマリン』は、ほんとに易しい歌詞だけど、その意味はすごくすごく深い。まさにいまの私たち、みんな「イエロー・サブマリンの住人」なんだよね。「一緒に」乗っているんだよね。

 

僕らが生まれた町に海を旅した男がいた

彼は潜水艦の島の昔話をしてくれた

僕らは太陽を追って緑の海へと船出した

イエロー・サブマリンで波の下の生活をした

 

僕らはみんなイエロー・サブマリンの住人さ

僕らはみんなイエロー・サブマリンの住人さ

 

友だちはみんな乗った ほとんどが隣同士さ

そしてバンドが演奏を始める

 

僕らはみんなイエロー・サブマリンの住人さ

僕らはみんなイエロー・サブマリンの住人さ

 

お互いが助け合えばぼくらの生活は気楽

青空と緑の海のあるイエロー・サブマリン

 

僕らはみんなイエロー・サブマリンの住人さ

僕らはみんなイエロー・サブマリンの住人さ

 

(歌詞の訳は、映画の字幕スーパーをそのまま引用しています)

 

 

「お互いが助け合えばぼくらの生活は気楽」。とてもシンプルなことばだけど、いまの世界は、ある意味「真逆」をいっているのかもしれない。「お互いが助け合えないから、助け合わないから、ぼくらの、わたしたちの生活は大変」なんじゃないかと。「打ち勝つ」とか「戦う」とかじゃなく、どう「共存」していくのかを考えるラスト・チャンスなんじゃないかと思えてくる。 

 

君にできるなら やれないことなどない

君に歌えるなら 歌えない歌などない

君に言えるなら ゲームは覚えられる

簡単なことなのさ

愛こそはすべてさ

愛こそはすべてさ

愛こそ 君が必要としているもの

 

君に分かるなら 分からないことはない

君に見えるなら 見えないものはない

君がいることにこそ 意味があるのさ

簡単なことなのさ

愛こそはすべてさ

皆一緒に

愛こそはすべてさ

みんなで

愛こそ 君が必要としているもの 

 

 「愛」って何ですか?そう言われるかもしれないのだけど、「愛」をちゃんとかたちにしてくださいって言われるかもしれないのだけど、でも、いまのわたしは、文句なしにこの歌詞に心を打たれます。この曲が流れるシーンだけを繰り返して観たくなるぐらい、とてもよかった。

 

そして、映画のクライマックスに登場することばがあります。

 

平和は破壊を避け

やみを晴らし 苦悩を解く

代わりに花を 咲け 咲け 咲け

そう、YESは世界を一つに結ぶ

2つの種が抱き合いブルーを払う

YESは世界で最高の言葉

 

 

 腹立たしいこと、理不尽なこと、苦しいこと、悲しいこと、もどかしいことが毎日のなかに溢れかえっているのですけどね、でも、「NO」ではなく「YES」で人びとと手をつなぐことはできないのだろうか、と思う。もちろん怒りは必要です。黙っているわけにはいかないと思ってる。だけど、その表現を、どのようにすれば、より多くのひとと手をつないでいけるのだろうかと思うのです。

 

それは「NO」と声を挙げることに対して憶病になっているだけじゃないかと、そう自問もしています。だけど、この映画を観て、あらためて思いました。「YES」でつながり合いたいって。

 

ならば、その「YES」は一体なに?

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そのことを、より実感を込めて、自分の足元から見つけて発信していきたいと、すごくすごく思いました。

 

まだまだ、観たいと思っているので、

smokyさん、スミマセンが、もう少し、貸しといてくださいませ。

 

それにしても、やっぱりカッコよかったです、ビートルズ。

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