のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

「おとこの料理教室」。

こんにちは。

お昼どきですね。今日のメニューは何ですか?

 

わたしの職場の関連法人のスタッフが中心になって、マンモス団地の高齢者のみなさんに、より元気でいてもらえるような活動をいくつか展開しています。

 

そのひとつに「おとこの料理教室」というのがあります。

”なんで、おとこって限定すんの?”と思われるでしょうね。ステレオタイプに括ってしまうことには危惧をもちつつ、でも、お仕事をずっとしてきて、リタイアされた男性たちが、地域のなかでなかなか「つながり」をつくりにくいという現実を、目にするのは事実です。

そういう男性たちに、いろんな仕掛けをしながら、外に出て、人とつながるひとときをもってもらいたいという願いで、そして、これまたそうでない方もたくさんおられることはわかりつつ、「自炊」の苦手な男性たちに、「こんな簡単に、おうちでごはんが作れます。一緒に作って、一緒に食べませんか?」っていうお誘いをするのが、この教室のコンセプト。わたしも「言い出しっぺ」のひとりです。

 

昨日のお昼まえ、ちょっと近所に用事があった帰り、「今日、おとこの料理教室やってるよ」って教えてもらったので、久しぶりに覗いてみようと思って、会場になっている団地の交流スペースに行ってみました。

 

そしたら、たまたま、ほんと、たまたま、ですけど、ちょうど「完成!!」のタイミングだったんです(笑)。「たまたまやねん、ほんま」って言い訳したくなるぐらい(笑)。で、ご参加の男性が今回はとっても少なくて2名だけ。スタッフとお料理の先生(この方は、以前わたしたちが運営するデイサービスをご利用いただいていた女性の娘さん)のほうが人数が多くて、ちょっとドギマギしてしまいました。

 

わたし、こういうの、だめなんです。せっかく来てくださったひとたちが、「今日はなんか盛り上がらへんなぁ」って思っちゃうのは、とても心がざわついてしまう。なので、お昼から会議がひとつあったんだけど、「ま、間に合うかな」ってことで、急遽、完成したランチを一緒に頂くことにしました。

 

最近人気の「鯖缶」や、冷凍のお野菜を使って、電子レンジとかホットプレートで簡単にできるメニューを、先生が準備してくれたレシピを見ながら、参加者を中心にして調理していきます。この日のメニューは、鯖缶とごぼうときのこの甘辛煮(缶詰のおつゆをそのまま活用します)、冷凍カボチャと魚肉ソーセージのマヨサラダ、かきたま汁、即席のお漬物、寒天ゼリー。

 

食事をしながら、ご参加の男性の趣味のことや、ご家族のこと、団地の自治会での活動のことなどをお聴きしたり、わたしも、自分の仕事のことやら、娘とのことなどを少し話して、どんどん盛り上がりました。「わたしみたいなじいさんの話はつまらんでしょう」とかおっしゃるんだけど、なんのなんの、やっぱり「年輪」を感じる、味わいあるお話がいっぱいでした。

 

そのうち、おひとりがバッグのなかから小さいスケッチブックを取り出して、なかのページを見せてくださいました。

 

季節の花、バス停から見えた小学校の校舎、テレビで観た競馬に出てきたサラブレッド、雑誌の表紙を飾った俳優さん・・・・、いろんなモデルで、とってもすてきな絵を描かれていました。

 

そこから話がふくらみ、同年代のお仲間たちと、スケッチ旅行にいくサークルをずっと続けてこられたこと、幹事のひとの交代と一緒に、やめちゃったんだ、ということを、少し寂しそうにおっしゃいました。

 

ボールペンでラフに輪郭を描いたあと、水彩で色をいれていくスタイル。ほんとに素晴らしい作品ばかりでした。「絵手紙の先生、してくれはったらいいのに」とお声をかけたら、「いやいや、わたしなんか、先生なんて、そんな滅相もないよ」とおっしゃってたけど、でも、ちょっとまんざらでもなさそうな・・・。

 

どこかから「講師の先生」をお呼びするよりも、近所にお住いの、いろんなひとが「先生」になれるし、なってもらいたいと思っています。わたしたちは、そういうひとを発掘して、どんどん活躍してもらえるように、ちっちゃな企画を、地道に続けていこうと思います。

 

「今日は、〇〇さん、いままでで一番喋って帰りはったね。スケッチしはるなんて、初めて知ったね」とスタッフたち。

 

いやぁ~~、よかったよかった。職場のデスクに、お弁当残してきたけど、でも、いいや。「喋りはらへんかったひとが、喋ってくれはった」っていうの、すごくすごく元気をもらいました。

 

誰かに元気になってもらおうと思うと、知らず知らずに、自分も元気になれます。元気は伝染するのだと思います。そういう瞬間を、いろんなひとと一緒に創っていきたいなと思った、きのうのお昼のわたくしのおはなしでした。

 

さぁ、午後もがんばります。

いつも読んでくれて、ありがとうございます。

 

(ほんとは、自慢したいぐらいのいい笑顔、いっぱいあったんですよ~~)