nonchiのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

高校現社の先生の想い出。(超長文)

みなさま、こんばんは。

やっぱり、久々の仕事はリズムを取り戻すのにちょっと時間がかかりました。遅めのお弁当タイムには、ぐったり(笑)。わたし、娘が高校に入って、「おかんと、娘と、わたしの3つお揃いのお弁当づくり」をスタートするまで、結構テキトーにお昼を食べていた時期がありました。おかんに「あんた、そんなええ加減な食生活しとったらあかん。とくにお昼はちゃんと食べんと、午後からの元気が出えへん」と言われても、軽くあしらっていたんですよね。でも、この春から、二人 のおかげでお弁当をつくるようになって、おかんの言いたかったこと、わかる気がする。実感、あります。やっぱり、ちゃんと食べんとあかんです。

 

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今日は、忘れられない先生の話を。

なんで唐突にこの話題かというと、最近読者登録させてもらった、学校の先生のブログに、とっても心動かされまして。その先生の「教える」ということへの熱意、子どもたちへのあったかい眼差しに、想い出す先生が2人いるんだということを、コメントに書かせてもらいました。あらためて、その2人の先生のことを考えると、いまのわたしの「根っこ」になるものを与えてくれた人たちであったことを、ちゃんと書いておきたくなりました。

 

2回に分けて書こうと思いますが、今日はまず、高校現社(現代社会)の先生のことを。

 

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Y先生、と書きますね。

Y先生は、やたら声がでっかくて、やたら「アツい」かんじ漂う、何かと斜に構えていた当時のnonchi にとっては「うっと~し~」先生でした。だけど、授業はめっちゃ分かりやすい。なんたって、その準備の凝りよう、半端じゃなかった。黒板いっぱいに、模造紙を何枚も横につなげた地図の上に、いろんなパーツを貼り付けて、解説を加えていくんです。当時は何にも考えず、眺めていたけど、いま思うと、ほんとに授業準備にどれだけの時間をかけておられたんだろう、って。途中途中で、生徒たちにいろんな質問をして、〇か✕かの答えじゃなく、「あんたはどう考えるか」「なんでそう考えたか」ということにこだわって、「自分の言葉」で喋らせることにこだわっておられました。

 

その先生が、2学期と3学期にそれぞれ1回ずつ、生徒をグループ分けして「自由研究発表」なるものをさせました。

 

私の高校時代は、遅刻・早退・欠席山盛りの、ちょっと変わったヤツでした。おトイレも一緒に行かないとイヤみたいな「仲良し女子チーム」は大っ嫌いだったし、なんとなく、どの人とも表面的なつきあいしかしたくなくて、パッと見ではそんなふうに見えなかったでしょうが、精神的には完全に「一匹オオカミ」だった。

 

でも、この「自由研究」には、なぜか闘志(笑)がわいて、2学期のグループでは『バナナはなぜ安いか』をテーマにすることを提案しました。当然、みんな「はぁ?」ってかんじ。バナナの値段がどうしたん?ってかんじね。わたしは「東南アジアの農民を、大企業が搾取するから、いつまでたってもバナナは『叩き売り』されるような値段に据え置かれているんだ。安いということに、どんな背景があるか、そこをちゃんと見なくちゃだめだ」ということを主張したかったんですけど、まぁ、積極的賛同はなく、「〇〇がやりたいんやったら、それ、やったら?」みたいな空気になってしまいました。

 

それでも当時の私は、なんでか記憶にないけど、そこでへこたれずに、というか、半ば意地だったのかもしれないけど、グループのはずなのに、ほかのメンバーを頼りにせずに、自分だけで進めてしまいました。でも、逆にいえば、その「勢い」があった。

 

Y先生に負けず劣らず、わたしがつくったプレゼン資料もかなり凝ったもので、模造紙に地図やら、グラフやら、問題提起のキーワードやら、いろいろ書いて、色も塗って、力作だったと思います。発表も、誰もやりたがらなかったから、自分で手上げしました。ほかのグループの発表内容とか、それに対する先生やクラスの反応はぜんぜん憶えてないけど、自分のグループの発表のとき、メンバー全員が登壇はしたけど、ほとんど自分だけで突っ走ったことと、クラスの聴き手のなんとも複雑な静かな反応と、それとY先生の表情と拍手だけ、憶えています。

 

Y先生は、「このグループは、なんでそのテーマを選んだんや?」という質問をして、それにも私が答えたのを見て、コメントはそんなにいっぱい喋らなかったけど、うんうんと頷いて、拍手をしてくれました。

 

でも、わたし、この「ひとりでやってしまった」ことに、すごくすごく疲れてしまいました。そして、「きっとウケないテーマを敢えて選んで、やっぱり、〇〇って変わったヤツっていうレッテルをさらにダメ押しするかたちになった」ことに、自分自身がいやになっちゃった。「あ~、おとなしく、右にならえ的にやっとけばよかった」って思っちゃった。なにをアツくなって、あんな突っ走ったんだろうか、と、自分がわからなくなりました。

 

なので、3学期のグループ発表のときには、「絶対に、2学期みたいなことはせんとこう」って心に決めていた。

 

3学期のグループ発表は、同じグループに野球部の男子が複数いたことから、「春のセンバツの有力校はどこか?どこが優勝しそうか?」みたいなテーマになりました。なりましたっていうか、そういう内容を、すすんで提案したと思います。

 

で、3学期もまた、わたしが発表することになりました。人前でしゃべるのが、ぜんぜん苦手じゃないと思われていたし、実際、そんなにどうしてもイヤっていうこともなかったので、「じゃ、〇〇で」って、いとも簡単に発表者になりました。1回戦から勝ち上がっていく予想図みたいなのをみんなで作って、けっこう面白おかしく発表したと思う。2学期と違って、アツくもなければ、いやな緊張(みんなにどう思われるかな、みたいな)もしなかった。

 

発表を終えて、クラスからの拍手の大小はまったく記憶にないです。でも、Y先生の表情とことばを、わたしは今でも忘れられないんだよね。

 

「う~~んそうか。〇〇、先生はお前に、もっとがんばってほしかったなぁ」って言って、ものすごく残念そうな苦笑いを浮かべてた。

 

そうやねん、Y先生。わたし、みんなの「目」を気にして、逃げた。「わたしは世の中に対して、納得いかないことがあります」っていうことを表明することから、ヘラヘラと笑ってごまかして、逃げたんだよね。それが、先生にはすごく残念に映ったんですよね。「お前、オレの授業で、何かをつかんでくれたんとちゃうかったんか?」って、そう言いたかったんじゃないのかな、Y先生は。「おまえ、そんなことぐらいで、へこたれんなよ」って言いたかったんじゃないのかな。

 

その後も、わたしは、社会に対して感じる憤り、納得のいかなさ、みたいなものを表明することから長く逃げてきました。自分の母親が、そのことにかなり正面から向き合って生きているひとだったということもまた、若干反面教師的に作用してしまったところがあったとは思いますが。烈しく自分を主張すると、仲間もできるけど、離れていく人たちも少なからずいるということ。「変わり者扱い」されることに臆病になっていたとも思います。

 

でも同時に、あの3学期の発表で、ヘラヘラと自分をごまかしたことについてもまた、ずっと自分のなかに傷として残ることになりました。ほんの些細なことだけど、「貫けなかった」自分に対して、すごく挫折した。そのことで、Y先生をがっかりさせてしまったこともまた、ずっと残ることになりました。

 

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いま、世の中がこれでいいのか、歴史にたいする向き合い方がこれでいいのか、などについて考えるたびに、心のどこかで、このY先生の授業のことが浮かんできます。たとえば、このブログで、今日のような話を書くこと、憲法のことや歴史認識について書くことに躊躇を覚えるとき、Y先生のことを想い出します。

 

Y先生とは、後日談があります。

Y先生と、うちのおかんが、憲法を護る活動で遭遇することが何度かあって、Y先生が「〇〇のお母さんですか?」って声をかけてきてくださいました。そのことをおかんから聞いた私が、この自由研究のことと、先生をがっかりさせてしまったことへの後悔と申し訳なかったという気持ちについて話したところ、おかんがそれをY先生に報告しちゃったんです(笑)。「娘がこんなふうに言うてました」と。そしたらY先生が、ものすごく喜んでくれて、「〇〇が、あの授業を憶えてくれてたんですか」っておっしゃった。「いまでも思い出すと言うてます」とおかんが言ったら、ちょっと泣きそうになっておられたそうです。

 

Y先生、私自身は、高校を卒業したあと、何回かお見掛けしただけで、ちゃんとお目にかかることがなかったけど、「正しいと思うこと、自分がこだわりたいと思うことは、背筋を伸ばして堂々と、自信を持って語れ」という先生の無言の教え、それと、「自分だけで突っ走るだけじゃあかん、まわりをちゃんと巻き込んでいかなあかん」というアドバイス、あの授業の先生の様子から勝手に想像して、自分に刻んでいます。

 

それを実践することは、いまでもやっぱり、楽チンなことではない。でも、あの「挫折してしまった」自分への不甲斐なさや、情けなさみたいなものもまた、ものすごく苦しいものだということも、刻んでいるから、ほんとにちょっとの勇気だけど、後ずさりはできるだけしたくないって思ってるんですよ、先生。

 

Y先生、大事なこと教えてくれて、ありがとうございました。

 

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長すぎて、すみません。

でも、書いておきたくなっちゃった。

これも、ヨッホイ先生のブログのおかげ、です。ありがとう。

 

ちょうど、バナナが黒くなってきてたから、バナナケーキを格下げしてバナナジャムにしました。これ、簡単なのに、バタートーストに合うねんよ~❤️

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