のんちのポケットに入れたい大切なもの

「みぃつけた!」な音楽、もの、ひと、ことばを綴る日記帳

♪ スーツケースいっぱいに詰め込んだ… ♪

みなさま、こんにちは。

通勤途中に、小学校の横の道を走ります。桜の木が、全体的にうす~~くピンク色に滲んでぼやけたかんじになってました。つまり、つぼみが「あと一息で、ぱ~~っと開くよ」っていうところまできてるかんじ。わたし、この一瞬が、大好きです。咲き始めると、ほんと一気に満開になる。そして、あたりまえだけど散っていく。その手前の、ほんとにギリギリの手前のひとときが、好みです。

 

娘が、おととい、クラス発表と教科書購入などで新しい高校へ行ったこと、ちょっと書かせてもらいました。「教科書の冊数がものすごいから、”コロコロ”(キャリーバッグ)で来るようにって言われた」と言って、韓国旅行用に昨年買ったばかりのスーツケースを転がしていった娘。そして、ほんとに、そのスーツケースがいっぱいになるほどの教科書を持って帰ってきました。

 

その報告を聴かせてもらった瞬間、あたまをよぎった歌があります。

 「セーラー服と機関銃」

 

youtu.be

 

歌詞のなかに出てくるんです。まさに。

 

スーツケースいっぱいに詰め込んだ

希望という名の重い荷物を

きみは軽々と きっと持ち上げて

笑顔見せるだろう

 

 この歌自体は、「さよならは別れの言葉じゃなくて 再び会うまでの遠い約束」という歌詞で始まるように、お別れの歌なんだけど、でも、後ろを振り返る「さよなら」じゃなくて、毅然と、凛と、前を向いて宣言する「さよなら」なんです。「希望」が「重い荷物」で、だけど、それを軽々と、笑顔で持ち上げて見せる女の子(女の子から、おとなの女性に向かって、ちょっと動き始めた、そんな女の子)。なんだか、ほんとに愛おしい。

 

わたし、人生初めて映画館で観たのは、別の映画だったのですが、この曲が主題歌になっている『セーラー服と機関銃』という映画(薬師丸ひろ子さん主演)も、中学生のころに映画館で観ました。公開時期を確認したら、わたしが13歳のときだった。頑固一徹おかんが同行してくれたはずがないので、おそらく、当時すでに別居していた父が、何か月かに1回会ったときに連れて行ってくれたんじゃないかと思うんです。観に行ったことは憶えているのに、誰が連れていってくれたかを憶えてない。なんか、変だよね。

で、きっとすごくインパクトがあったんだろうと思いますが、映画のサントラLPを買いました。もう、どっかにいっちゃったかなって諦めてたら、リフォーム中の実家の片付けのとき、残ってました。

 

あの頃のわたし、この歌詞を、どんなふうに聴いたんだろう。当時のわたしは、学校も嫌いだったし、家も嫌いだったし、行きたいところがどこにもありませんでした。友だちもいなかったし、独りだった。そのわたしに、どんなふうにこの歌詞が響いたのか、思い出せないけど、でも、レコードを買ってでも聴きたかったんだよね。40年近く前の自分…。戻りたくはないけど、声はかけてあげたい気がします。

 

独りのときもいっぱいあった。とんがって、人に迷惑をかけたことも、多々あった。母親に反発して、とんでもないこともやらかした。いい想い出は、あんまり、ない。だけど、それを、好きな音楽といっしょに、ちょっとほろ苦いけど、静かに振り返る自分が、いま、ある。なんだかんだ、いろいろあっても、歩いてきたよな、わたし。

 

最近、音楽をとおして、いろんなことを考えたり、想い出したりします。やっぱり、人生に音楽って、必要だよなって思っています。いまのわたしが聴いている音楽も、いつか、おばあちゃんになったわたしが想い出すんだろうか。いまのわたしにまつわる、いろんなことと一緒に…。

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 音源はyoutubeからお借りしました。