叔母は児童文学の研究をしている人でした。
観音開きのすてきな本棚に、こだわりの絵本がいっぱい並んでいました。
わたしに子どもが産まれたとき、「読んであげたい絵本リスト」を送ってくれました。
そのなかのお気に入りのシリーズが『ゆうたくんちのいばりいぬ』。
シリーズのなかでも、うちの娘の一番人気は『ゆうたはともだち』でした。
懐かしくて久しぶりに手に取ってみると、娘が自分で何度もめくって読んでいたんでしょうね。本の中綴じ糸が切れてました。
「おれ(いぬ)」の視点で語られる、「おれとゆうたのちがい」。
そして、最後のことばが、娘のお気に入りのひとことでした。
娘はいま14歳。「うわぁ、懐かしいやん」と。・・・憶えてるんやね。なんか、ちょっとうれしかったです。
挿絵がないと、おもしろさ半減なんだけど、ちょっとご紹介。
おれ いぬ。
おまえ にんげん。
おまえ わらう。
おれ しっぽ ふる。
おまえ てで かく。
おれ あしで かく。
(中略)
おまえ ほんが すき。
おれ ほねが すき。
おれと おまえ ぜんぜん ちがう。
だけど すき。
だから ともだち。
クスッと笑えて、ちょっとしあわせな気持ちになり、「私は、私で、いいよね」と思えます。
さぁ、この気分で、今日はおやすみなさい。